林だった広い場所をお祖父様が開墾して畑に。
ここ大津町は、元々水が少なく、米作りよりも乾燥を好むさつま芋作りに適した場所。
のむら自然農園さんの畑は、黒土で、フワフワと柔らかい。
「南向きの傾斜になっていて水はけもよく良い場所なんですよ」と響さん。

子どもの頃からゆくゆくは農業をしようと考えていたという響さん。漠然と40歳位かな、と考えていたそう。
大学卒業後、就職した会社は農業機械のメーカー。展示会にくる方たちが高齢の方ばかり。それを見て「どうせやるなら早くやろう」と熊本に帰って農業に。

農薬を使わず、化学肥料も除草剤も使わない栽培方法で、収量が多い時には40ｔも採れるそう。
「40tのさつま芋が想像つかない」と言うと、慣行農法では、同じ面積で80t採れるという。化学肥料を使っているので、発芽も良いし、除草剤を使っているので、陽にもよく当たるので収量は多くなる。
のむら自然農園では、農薬はもちろん除草剤も使わないので、草刈りだけでは、どうしても陽の当たりは悪くなってしまう。
のむら自然農園では、香心ポークさんの肥料など良い畜産家さんの肥料のみを使用している。

紅はるかを薪ストーブでじっくり焼き上げた焼き芋は、有機生活でも大人気。甘くてしっとり。その焼き芋を皮をむきスライスして干し芋にも。

大津に来ると、丸い小さな山のようなものを良く見かける。ドーム型のてっぺんの中央に小さな煙突のようなものがある。
コンクリートで作った上に土を被せて作られているさつま芋の貯蔵庫で、50年以上前からさつま芋の貯蔵庫として使われているそう。
さつまいもは、4月中旬から梅雨前までに植え付けをして、収穫は8月下旬から11月中旬頃まで。
収穫したさつまいもは、この貯蔵庫で保管され順に出荷されている。
のむら自然農園さんは、2つ持っているというこの貯蔵庫。1つの貯蔵庫に1000個ほどのコンテナが入る。

煙突のような部分から空気を入れ替えることで、収穫時の水分の多いさつまいもがカビないようになっていて、冬の寒い時期には煙突の部分を塞ぎ空気が入らないようにする。
15度以下には下がらないようになっていて冷えすぎることがないそうだ。
人気あるさつま芋「べにはるか」は、45日以上寝かせてからが美味しいので、ここで寝かせてから出荷されている。

「農家をやっていてよかったことはありますか？」の質問に、たくさんありますが・・と響さん
「自分が作ったもので、お客様が喜んでくれることが一番嬉しい」
有機生活で週末に出店される焼き芋には、リピーターのお客様も多く、そのお客様と直接会えることが嬉しいと話してくださいました。
これから少しずつさつま芋以外の作物も作っていこうと考えているとのこと。楽しみです。